多汗症多汗症(手汗・ワキ汗)
多汗症には、発汗の原因となる病気があって起こる「続発性多汗症」と、明らかな原因がない「原発性多汗症」があります。続発性多汗症の場合は、原因となる病気の診断、治療が必要になりますが、原因のない「原発性局所多汗症」については、保険治療を含め、発汗を抑える治療を行うことができます。
原発性局所多汗症の診断基準
日常生活に支障をきたすほどの過剰の汗が、明らかな原因がないまま6か月以上みられ、以下の6症状のうち2項目以上があてはまる場合「原発性局所多汗症」と診断されます。
- 最初に過剰な汗がでたのは25歳以下である
- 左右同じように汗がでる
- 睡眠中は汗が止まっている
- 1週間に1回以上、過剰な汗がでる
- 家族にも同じ症状の人がいる
- 汗によって日常生活で困ることがある
外用薬
腋窩と手掌の原発性多汗症には、保険の外用剤が処方できます。
現在、ワキ用2剤、手掌用1剤の保険外用薬があり、いずれもエクリン汗腺からの汗の分泌を抑える作用(抗コリン作用)により効果を発揮します。
1日1回、継続使用することで汗の量を抑え、汗ジミ、臭い、緊張時の多汗などを改善します。
原発性腋窩多汗症
-
① エクロックゲル5%(ソフピロニウム臭化物ゲル)
専用のアプリケーターでワキに塗るゲル製剤
1日1回、両脇に塗布。 -
② ラピフォートワイプ2.5％(グリコピロニウムトシル酸塩水和物)
1日1回、両ワキに塗布。
1回使い切りのワイプ型外用剤で、手軽かつ衛生的に使用できます。
原発性手掌多汗症
-
① アポハイドローション20%(オキシブチニン塩酸塩)
1日1回、就寝前に適量を両手掌全体に塗布。
適用年齢
小学生から使用可能です。
- ラピフォートワイプ 9歳から
- エクロックゲル 12歳から
- アポハイドローション 12歳から
内服薬
外用療法などが無効の場合は、プロバンサインなどの内服薬を処方することもできます。
プロバンサイン
抗コリン作用のある薬で、多汗症に対する内服薬として唯一保険適用となっています。
1回1錠(15mg)を1日３回経口投与。
内服1時間後から効果がみられ、約４～5時間持続します。
副作用
目のかすみ、口の渇き、便秘、排尿障害、頭痛、眠気など
閉塞隅角緑内障、前立腺肥大、重篤な心疾患、不整脈、麻痺性イレウス、甲状腺機能亢進症、潰瘍性大腸炎などの病気をお持ちの方、小児、高齢者、妊娠中・授乳中の方には当院では処方しておりません。
自費治療
20%塩化アルミニウム液
手足、ワキの局所多汗症に使用できる自費外用液です。
塩化アルミニウム液は、汗をだす管(汗管)の細胞に作用し、この管を閉塞させることで発汗を減少させます。
- 1日1回、シャワー後などに塗布
- 効果がでるまでに時間がかかることがあるので、継続使用することが重要です
- 効果がでてきたら、個人の発汗量の程度に応じて使用頻度を調整してください
ICON医療脱毛(ワキ脱毛)
ワキの下を清潔に保ち、外用を塗布しやすくするために、ワキ汗治療とあわせて医療脱毛もおすすめです。
当院ではサイノシュア社製のICON(MaxR)による医療脱毛を行っています。
- 両脇1回7700円、5～6回が平均的な治療回数です
- 所要時間 約10分
- 熱破壊による脱毛効果。IPLの中でも非常に高い出力を照射できる機種で、レーザー脱毛と同等の高い脱毛効果を実感いただけます
- IPLならではの美肌効果があり、脱毛と同時に肌質改善(美白・美肌)効果も得られます