AGA(男性型脱毛症)

AGA(エージーエー)とは、Androgenetic Alopeciaを略したもので、男性型脱毛症のことです。成人男性によくみられる症状で、思春期以降に額の生え際や頭頂部の髪が細く、薄くなっていくもので、男性ホルモンの影響や遺伝的素因が主な原因です。AGAの人は毛髪の「成長期」が短く、正常な人よりもヘアサイクルの周期が早まっています。進行性の脱毛症で、放置すると徐々に薄毛が目立つようになるため、早期の対策が必要です。

AGA治療薬の作用

毛髪には寿命があり、ヘアサイクル(毛周期)にしたがって成長期→退行期→休止期を繰り返しています。正常な毛髪の成長期は2~6年ですが、男性ホルモンのジヒドロテストステロン(DHT)がヘアサイクルを乱すと、成長期が数か月~1年に短縮され、髪の毛が太く長く成長する前に抜け落ちてしまいます。1つの毛根のヘアサイクルは40回程度で、最後の周期を迎えた毛根からが髪の毛が二度と生えません。このため、ヘアサイクルを使い果たす前に、早めに治療開始することが大切になります。

AGA画像
  • 男性ホルモンのテストステロンに5αリダクターゼ(還元酵素)が結合すると、ジヒドロテストステロン(DHT)が産生されます。このDHTが毛乳頭の男性ホルモンレセプターに結合すると、脱毛因子TGF-βが増加し、毛乳頭細胞に退行期シグナルがだされ、成長期が短縮、薄毛が進行します。
  • 男性ホルモンレセプターの感受性の強さは遺伝の影響をうけるため、感受性が強い遺伝子を引き継いでいる人ほどAGA発症の可能性が高くなります。
  • AGA治療薬は、5αリダクターゼの作用を阻害し、ヘアサイクルを正常に近づけることで抜け毛を減らし、AGAの進行を抑えます。
  • プロペシア(フィナステリド)はⅡ型5αリダクターゼに作用
  • ザガーロ(デュタステリド)はⅠ型とⅡ型両方の5αリダクターゼに作用

使用方法・注意事項

  • 適応:20歳以上の男性
  • 1日1回、毎日決まった時間に服用。
  • 6か月以上継続して服用することで効果が実感できるようになります。服用をやめると、髪の毛が再び元の状態に戻ってしまいます。
  • 服用中は献血ができません。服用中断後、6か月経過すれば可能です。
  • 錠剤を分割・粉砕したり、カプセルを開けて薬を取り出したりしないでください。
  • 服用前、服用中に血液検査が必要になります。他院での血液検査の結果をお持ちの方はご持参ください。当院で血液検査を行うこともできます。検査結果は1~3日後にでます。
  • 副作用:性欲減退、勃起不全、精液量減少、肝機能障害など。
  • 前立腺癌の検診を受ける方は、医師に事前にAGA治療薬を内服していることをお伝えください。服用中は、前立腺癌検査で測定されるPSA値が約50%低下し、検査結果に影響がでます。服用前に、当院でPSA値測定(自費の血液検査)を行うこともできます。

使用できない方

  • 女性、小児は服用禁止。薬剤に触れるのも避けてください(経皮吸収されます)。
    特に妊娠・授乳中の女性が服用すると、男性胎児・男児の生殖機能の発育に影響を及ぼす恐れがあります。
  • 肝機能障害がある方

料金

AGA治療薬は自費診療になります。初診料3,300円/再診料1,100円

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