Qスイッチルビーレーザー
Qスイッチルビーレーザーは、メラニン色素に選択的に吸収される波長(694nm)のレーザーで、シミやアザなどの色素疾患の治療に用いられます。当院ではJMEC社製のThe Ruby
nano_Qを使用しています。
シミ治療に使用されるレーザーには様々な波長の機種が存在しますが、ルビーレーザーの波長は特にメラニンへの吸収率が高く、血管や周囲の組織への熱ダメージを最小限に、表皮~真皮までの様々な色素性病変(シミ、そばかす、ADM、アザなど)に高い効果があります。
当院にはICON(フォトフェイシャル・IPL)もありますので、シミの種類、範囲などにより最適な治療法をご提案させていただきます。
ルビーレーザーがおすすめな色素病変
- 境界明瞭で色の濃い目立つシミ
- シミをなるべく1回で確実に消したい場合
- フォトフェイシャルや他のレーザー治療で取り切れなかったシミ、再発したシミ
- 真皮色素性病変 : 後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)、アザ (黒アザ、青アザ、茶アザなど)
【保険適用】
太田母斑、異所性蒙古斑、扁平母斑、外傷性刺青
【保険適用外(自費治療)】
老人性色素斑(シミ)、雀卵斑(そばかす)、後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)、口唇メラノーシス、脂漏性角化症、小さなほくろなど
治療回数・頻度
- 通常のしみ、そばかすは1~2回の照射でとれることが多いです。取り切れなかった場合は、半年以上の期間をあけて再照射します。
- 太田母斑、異所性蒙古斑、外傷性刺青は、5回まで保険での照射ができます。
- 扁平母斑は、保険での照射は2回までです。効果がでる症例が少なく、再発例も多いため、治療が難しいアザです。
- ADMも繰り返しの照射が必要になります。3~6か月に一度の頻度で4~6回の照射を行います。
- 隆起のない小さなほくろは、ルビーレーザーでも目立たなくすることができます。繰り返しの照射が必要で、月に1度の照射を5~6回行います。
副作用・注意事項
赤み、疼痛、炎症後色素沈着、照射部の肝斑の悪化、脱色素・白斑化、瘢痕、びらんなど
- 施術時には、輪ゴムではじかれたような痛みがあります。
- 病変のサイズが大きい方、痛みに弱い方は麻酔テープをご利用いただけます。診察時におわたししますので、来院時に貼ってきてください。
施術後の経過・アフターケア
Qスイッチルビーレーザーは高い出力での治療が可能ですが、治療後はある程度のダメージが残るため、適切なアフターケアが必要となります。アフターケアが不十分な場合、炎症後の色素沈着が強くでたり、シミがきれいに取り切れない場合があります。
レーザーにより破壊されたメラニン色素はかさぶたになり体表に排出されるか、真皮内で分解後に徐々に体外へ排出されますが、照射後の炎症後色素沈着の期間も含め、照射後すぐにシミが完全にとれるわけではないことをご了承ください。
- 照射後1週間~10日くらいは元のシミより色調が濃くなり、かさぶたが付きます。当院では、ご希望の方にはハイドロキノン配合コンシーラーをご使用いただいています。照射翌日から使用開始することで、照射後のかさぶたを隠し、周囲の人に知られることなくレーザー治療が可能です。
- かさぶたが取れたあとは、淡いピンクの皮膚になりますが、照射後2週間後~半年くらいのあいだ、肌質によってはレーザー照射による炎症後色素沈着がでることがあり、シミがとれていないように見える期間があります(大部分の人は3か月程度でほぼ消退します)。炎症後色素沈着は、照射後適切にケアすることで出現を最小限に抑えることができ、時間がたてば徐々に消失します。
- 炎症後色素沈着は、ハイドロキノン配合コンシーラーで隠しながらケアすることも可能です。さらに色素沈着が強い場合は、ハイドロキノン、トレチノインなどのシミ治療クリームを処方いたします。
- 照射後は刺激を避け、紫外線対策もしっかり行ってください。
- 施術後1週間は、照射部へのマッサージやピーリング等は避けてください。
施術できない方
- 妊娠中、授乳中の方
- 照射前後1か月の間に極度の日焼けをした方、予定がある方
- ケロイド体質の方
- 光線過敏症(SLE等)
- てんかん発作の既往歴がある方
- ペースメーカーを入れている方
- 施術部位に感染性病変、傷、癌などがある方
- 出血性疾患がある方、抗凝固剤を内服中の方
- 金の糸が入っている方、金製剤による治療歴がある方