光線治療 (紫外線療法)
日光浴でよくなる皮膚疾患があることは昔から知られており、これを治療に取り入れたのが光線療法です。
中波紫外線療法では、効果が高く、有害作用の少ない308〜313nmの特殊な波長を用いて、病変部の過剰な免疫反応を抑えていきます。
当院では、病変の面積や症状に応じて2種類の機器を使い分けています。アトピー性皮膚炎、乾癬、掌蹠膿疱症、白斑、円形脱毛症などの方が通院されています。
JTRAC ジェイトラック
半身型ナローバンド治療器 (NB-UVB)
UVB(主波長311nm)を用いた光線療法
全身性疾患や病変部が広範囲にわたる場合に最適です。
ExSys308 エクシス
ターゲット型エキシマライト
エキシマランプ(主波長308nm) を用いた光線療法
より効果の高い波長の光線を、高い輝度(光強度)で照射可能で、ナローバンドUVBよりも少ない回数で改善効果を認めやすく、効果の持続も長いといわれています。
- コンパクト、移動可
- 病変部の小さい症例
- 早い寛解、総照射量の軽減
- NB-UVBで残存する難治性、抵抗性の症例に有効
- スピーディーな治療が可能
保険適応疾患
- 尋常性乾癬
- 類乾癬
- 掌蹠膿疱症
- 菌状息肉腫(症)
- 悪性リンパ腫
- 慢性苔癬状粃糠疹
- 尋常性白斑
- アトピー性皮膚炎
- 円形脱毛症
効果
外用薬だけでは良くならないときや、発疹の面積が広くなったときに、外用薬や内服薬との併用で以下の効果が期待できます。
- 皮膚の炎症やかゆみが早期に軽減する
- 炎症が改善することで、外用薬の使用量を減らせる
- 難治性の皮膚疾患に効果が期待できる
治療頻度・回数
週に1~2回の照射が効果的です。症状が落ち着いてきたら、月2回程度に通院回数を減らすことも可能です。
通常のアトピー、乾癬などで計20~30回程度の治療が必要となります。白斑の場合、より長い治療期間を要します。
治療時間
- JTRAC
通常5〜10分程度(上半身、下半身、前面、後面に分けて照射します)
- エクシス
1ヶ所の照射は数秒。範囲によりますが数分程度の治療になります。
副作用
- ほてり、赤み
- 日焼け
- 色素沈着
- 肌の光老化(しみ、しわ、たるみなど)
照射量や治療回数の上限を守って的確に施行すれば、有効な治療法です。
料金
保険点数は照射する面積に関わらず340点です。
3割負担で1,020円、1割負担で340円になります。
※診察代(初診料・再診料)は別途かかります。